白と黒の彩り

理工系大学院生の気まぐれとわがままと、そんな少しばかりの日常

映画「君の名は。」を観て。小説版「君の名は。」を読んで。RADWIMPS「君の名は。」を聴きながら


「君の名は。」予告2

 

あれやこれやで、公開から2ヶ月が経とうという今更映画館に足を運んで「君の名は。」を観てきた。

新海誠作品は秒速5センチメートルから新海作品を知ってほしのこえまで遡って全部見てきただけに、今作も自分の中で期待に期待が積み重なっていっていた。

音楽を手がけるRADWIMPSも好きなバンドだったしなんで今まで観に行かなかったのか……。

 

(以下、予告以上のネタバレはないと思うけど……)

 

映画「君の名は。」を観て

映画の予告やCMってのは、かなり誇張気味というか本編では見られないようなテンポで疾走感を感じさせたり、本編では揺れもしない画面を揺らして臨場感をだしたりってしたりするイメージがあるし実際そういう映画予告も観てきた。

けど、「君の名は。」を観ながら思ったのは「(うわぁ……まんま予告やなぁ)」といういい意味で予告の期待を裏切らないで最後まで突っ走って終わった印象を受けた。

 

ずっとそうだけど、綺麗すぎる画。

映画を進める上でのテンポはすごいいいんだけど、画が綺麗すぎてカットカットの時間が短い!もっとこの画の美しさに浸らせてくれ!みたいな。そんな気持ちにまでなってた。

東京の街並みとか、糸守町の景色とか、彗星が落ちてくるシーンとか!大画面でいつまでも観ていたいわ!って感じ。

タイムラプラス式の描写もすごい気に入ってしまった。最高か。

 

んでもって三葉ちゃんを始め女性陣可愛いし美しいしすごいよかった。

語彙力なくて「良かった」しかでてこないんだけど良かった。

奥寺先輩に惚れた。

国語の先生がCV花澤香菜言の葉の庭が浮かんできた。(小説版に少し続く)

 

なんというか三葉と瀧がお互い名前を忘れてから何か心ここにあらずというか、何かを追い求めているんだけどそれがなんなのか忘れてしまっているような、何か見当違いなことをしているんじゃないかっていうあの高校生とかあたりのモラトリアム時期に感じまくるアレ!がすごい伝わってきていやぁ新海さんいいなぁって思いながらほんともう。

いや、大学4年生の自分も未だにモラトリアム抜け出せてなくていろいろ人生もどかしいところはあるので余計にそう思っただけなのかもしれないけども……。

 

で、音楽。RADWIMPS

最初はなんだか若者ウケしそうなアーティスト連れてきてとりあえず集客みたいな考えかとか思ってたけど、めっちゃ良かった。(相変わらず語彙力のなさ)

音楽入れすぎて煩わしいとかもなくていい感じにマッチングしてて、映画見終わったあと音楽だけ聴いてもシーンが浮かんでくるような(映画観て日が浅いからかもしれないけど)そんな感じ。

 

こう、偉そうでアレだけど、ほしのこえから新海作品を見てきたものとして、なんというか新海誠マイナーメジャーというか知る人ぞ知るくらいのイメージだったんだ。

アニメーション監督だと細田守さんあたりがポスト宮崎駿なんて言われたりもしてて、少なくとも言の葉の庭までの作品で比べたら納得いくんだけど。

それで、一種の独占欲のような。みんなに知ってもらいたいけどこの良さは広まりすぎて欲しくない。自分だけのものにしたい。みたいな。

そんな気持ちもあったから今回君の名は。が上手くいきすぎてて嬉しい(の方が圧倒的に強いけど)反面少し寂しかったりもする。

今までなんだか綺麗な物語なんだけど、リアルエンドといか、少しほろ苦い余韻を残す締め方をしてきた分、今回の綺麗にすっきりした締め方というのが良くも悪くも大衆迎合してしまった感じがして。

それでも最高だったけどね!!!!ハイ!!!

 

 

小説「君の名は。」を読んで

いつぞやのkindleカドカワセールのときに映画も観てないけど小説版を購入しておいたのだ。

今こそ読むべし!と、映画をみて昨日今日で読んだ。 

 

映画観たばっかりだからかもしんないけど脳内にシーンが浮かんでくる浮かんでくる。

文字で読むと映画を観ながら自分が感じた事、だけど言語化できなかったことまで言語化されていく気がしてまた一つ整理ができるようになった気がする。

 

神さまが本当にいるならば、それでもなにを願えば良いのか、私は自分でもわからいのだった。

 

との、第二章の一文がなぜかグッときました。

他にもいろいろグッとくるようなところはあったけどまぁ気になったら読んでみてくだされ。

 

で、ついこの間「言の葉の庭」の小説版も読んだばかりだったんだけど。 

勅使河原くんと雪野先生が言の葉の庭と君の名はにでてるね?!

さすがに雪野先生は映画の国語の先生、しかも古典で、声まで花澤さんだったからそうだと思ってたけどWikipedia調べたらそうっぽいな。と。

なんだかファンサービスみたいなものを感じて嬉しくなった。

 

新海さんのあとがきで、

小説版は瀧と三葉の一人称、つまり二人の視点のみで描かれている。彼らが知らない事は語られないのだ。一方、映画はそもそもが三人称ーつまりカメラが映し出す世界である。

って文面にも現れてるけど映画と小説を比較した感じのとこがすごい好き。

 

RADWIMPS君の名は。」をシーンごとに合わせて聴きながら読んでたんだけど、後半のとこで

「なんでもないや(movie.edit)」の歌詞「もうすこしだけ」という耳からの聴覚情報と

小説中の「もうすこしだけ」という文字列が目からの視覚情報がちょうど同じタイミングで認識されてなんだかわけもなく感動しました。はい。

 

小説版も全体を通して本当川村さんの解説まで含めてなんだか詩的な感じでまとまった作品だった。

強いて言えば、三葉が父を説得して町中が避難して人的損害回避という現場のシーンを少しでも描いて欲しかったな。

 

基本的に新海作品というレッテル貼りされてるだけで好きになってる傾向があるので、粗を探そうと思えばそれは出てくるかもしれないけど好きなものは好きなとこだけ言って締めたい。それでいいじゃないか。

ということで、長々と言いたい事ツラツラととりとめもなく書いたけどとてもいい作品でした。

大画面でまた観たいなぁ。


前前前世 (movie ver.) RADWIMPS MV